解說: 行事が終わった後、 王様はお籠に乗ってクンジョンジョンの外に出られます。 日本国王使 歓迎行事が皆終わりました。 使臣たちには、 朝鮮の大臣たちとの会議の日程が残っているのですが
行事が終わった後、正使と副使が胸をなでおろして 話を交わしながらクンジョンジョンを振り返っていらっしゃいます。
正使: ふーっ!無事に終わってなによりじゃ。
副使: 正使様(せいしさま)、さっき、クンジョンジョンの中にある座布団に座っていた
者どもが何か一生懸命に書いておりましたが、何でございますか?
解說: 副使がおっしゃる人たちは 「サグヮン(史官)」です。 サグヮンと言うのは王様がなさるすべての言葉を記録する官吏たちで、 この記録は王様でも見られないようにし 公正な歴史記録を残すようにしました。 今まで皆さんにして差し上げたお話しも この記録があるために可能だったのです。
副使: 正使:様、十二支神(じゅうにししん)がいるというのですが いくら捜しても、猪と犬は見えませぬ。
正使: それを探しておったのか?
副使: 私が亥年(いのししどし)なのでございます。
どういう風に作ったか探してみましたのですが
見つからないのでございます?!
正使: 神聖な所だから犬と猪(いのしし)は入れておらぬようじゃな。
どれどれ・・・ここにおるのぉ、馬。わしはうまどしなんじゃ。
副使: 姿形が、何か新婦のようでございますのう。(くすくす)
正使: 朝鮮の方々はおもしろい方々のようではないか?
副使: はぁ?
正使: 彫刻が一様に恐ろしいとかいかめしいというよりは何か、
愛嬌があるとでも申したらよいかのう?
副使: お言葉を拝聴してみると確かにそうでございます。
ところで、四神像(しじんぞう)、青竜(せいりょう)、朱雀(しゅじゃく)、玄武(げん ぶ)、百虎(びゃっこ)は見えますが、
先ほど聞いた黄竜(こうりゅう)は見えぬのでございますが。
正使: わしはちゃんと見たぞ。
副使: どこに居るのでございますか?
正使: 探してみるがよかろう。うぉほっほ!
副使: そのようなこと申されないで、教えてくださいませ~。
正使: 会議に行かねばならぬ。遅れてしまうぞ。うぉほっほ!
副使: 正使様、教えてくださいませ~。
解說: 皆さんは見つけられましたか? クンジョンジョンの横に回って部屋の中の天井を見上げると良いらしいですよ。
副使: ともかく、建物がぎっしり建っておりますので、下手をすると道に迷いまする。
解說: 「どんな建物がぎっしりだというのだろう?」おかしいでしょうか? クンジョンジョン両側の廊下は元々は 様々な役割をする部屋などで埋まっていました。 いつ、廊下に変わったんでしょうか。
「ここは、竜の世界なのか神仙(しんせん)が暮す仙界(せんかい)なのか 常人の目では見分けることができないほどだ。」
キョンボックンが燃え去る前、 最後にこちらを訪問した日本人、 加藤清正と行動をともにした
従軍僧(じゅうぐんそう)、是琢(ぜたく)和尚が書いた「朝鮮日記」の一部分です。 200棟を越える建物はがらんと空いていましたが、 華麗な姿はそのままでした。
1592年、韓国でイムジンウェラン(壬辰倭乱)と称する 文禄(ぶんろく)·慶長(けいちょう)の役(えき)当時
日本の軍勢はキョンボックンの建物を全部燃やしてしまいます。
以後、見捨てられていたキョンボックンでしたが、 1867年、330棟(むね)を越える宮廷として再建されました。
しかし 1910年、日本の強制併合以後 キョンボックンは徹底的に破壊され、本来の姿を失うことになったのです。 中国最古の詩集『詩經(しきょう)』の「周雅編(しゅうがへん)」の「大きな福を享受 (きょうじゅ)しよう」から取った名前、キョンボックン(景福宮)。ちょっと見ただけではその名前からは想像できない苦難がありました。 しかし、 その険しい歳月を経(へ)ながらも消えずに
現在大韓民国の繁栄を共に喜び、味わいながら本来の姿を取り戻しつつあります。
キョンボックンは本当にぴったりの名前ではないでしょうか。
写真ギャラリー