解說: こちらはカンニョンジョン(康寧殿)、王様がお休みになる寝殿(しんでん)です。 あ、私は、世宗大王に最も近くから仕えるネグヮン(内官(内侍))であります。 世宗大王はこちらカンニョンジョンで眠っていらっしゃいます。 王の寝殿としては規模が小さすぎて素朴だとお思いですか? 質素だがみすぼらしくなく、 華麗だがぜいたくにならないようにするように! キョンボックン(景福宮)を設計した儒学者、チョンドジョン(鄭道伝)の言葉です。 キョンボックン全体に適用されたこの原則は
カンニョンジョンだからといって例外ではなかったのです。 しかし、 きらめく飾りを使う代わりに
他の建物と密(ひそ)かに違いが付けられていました。 屋根を一度見てみましょう。
他の建物と違っていませんか? 日本で棟(むね)、または棟木(むなぎ)と呼ばれる
屋根の一番上の部分は韓国では、「ヨンマル」と呼ばれています。 王様が休まれるカンニョンジョンには 「ヨンマル」と呼ばれる所を無くしました。 王は「竜(りゅう)」韓国語で「ヨン」だからです。
今日はお姫様の誕生日です。 今、カンニョンジョンのすぐ前の舞台では 踊り子がダンスをして、奏者たちがヨンビオチョンガ(竜飛御天歌)を演奏しています。
世宗大王と家族たちは、 マルという広い板の間に座って公演を見ていらっしゃいますね。
ヨンビオチョンガは ハングルで作られた敍事詩です。 ハングルを作った後、
朝鮮の建国に関する詩集を作ったのです。 日本の万葉集を思い浮かべることができます。
今日のように、 家族の集まりや音楽会など、 行事がある日や夏はタンムンという戸を皆上に上げましたが 冬はタンムンを下げて風を遮りました。 朝鮮は夏期と冬期、気温差が激しいため
それに合わせて家を建てたのです。 オンドルについてはサジョンジョンで聞いて見られましたか?
カンニョンジョンの建物の横、下を見ると たきつけた穴、すなわち 「炊き口」があります。 オンドルは「暖かいトンネル」と言う意味ですが、 部屋の床に平べったい石を敷いて、
その上を土で覆った後、紙を張ったものです。 その下には温かい空気が往来するトンネルがあります。 炊き口で 火を起こすと、 その熱気がトンネルを往来して石を暖め、
部屋が暖かくなる、韓国固有の暖房方式です。 一度暖められた石は冷えにくく、
朝鮮の人たちは寒い冬でも、暖かく眠ることができました。 民家では木を焚きましたが 宮廷では炭を使いました。 日がのぼる前、夜明けに起きて目上の人に対するあいさつで日課を始める王様は 約12時間の間、公式執務と勉強をし、 こちらカンニョンジョンに帰って来て休まれました。
しかし、執務時間が終わった後にも カンニョンジョンの横の建物の
ヨンセンジョン(延生殿)とキョンソンジョン(慶成殿)で 家臣たちに個人的に会ったりしました。
勿論、そのような席の対話もサグヮン(史官)がいちいち記録しました。
王様は地を踏まないという言葉を憶えていらっしゃいますか。 ヨンセンジョンとキョンソンジョンは勿論、 こちらカンニョンジョン一円の建物は廊下で繋がれていたと言います。
遠くにいらっしゃる時はお籠に乗られました。 激務と運動不足のためでしょうか。
朝鮮の27人の王の寿命は長くありませんでした。 平均寿命が47才強で、 世宗大王も54才で亡くなられました。
写真ギャラリー