ここは逍遥亭(ソヨジョン)です。<br/> 誰にも気を使わずにゆったりと歩いてみたことがありますか?<br/> 逍遥とは「心が趣くままにゆっくりと歩く」という意味です。<br/> 後苑の最も奥深い場所に隠された至宝のようなあずまやに逍遥亭という名をつけたところを見ると、朝鮮の王の心の奥深くには、誰にも邪魔されずにゆっくり心趣くままに散策したいという熱き想いがあったのでしょうか?<br/><br/> 朝鮮の22代の王・正祖(チョンジョ)はここにしばしば立ち寄っては休息をとったそうですが、自然の中で、休息と思索に耽ることより執政者としての気持ちを刷新するためだったといいます。<br/> それゆえ逍遥亭(ソヨジョン)についてこんなふうに言っています。<br/> 「逍遥亭(ソヨジョン)を堪能するのは、単に景色を眺めて休もうというのではなく、謹み深く且つ慎重に国事に勤むための助けになるからだ。<br/> 後世の人々よ、ゆくゆく逍遥亭(ソヨジョン)が古びて修理をすることになろうとも、このような意味を知り、元の姿を損なわぬよう注意せよ。」<br/><br/> 正祖(チョンジョ)は逍遥亭(ソヨジョン)で臣下たちと共に曲水の宴を催し、風流を楽しんだことで有名です。<br/> 曲水の宴は、流水に杯を浮かべ、その杯が自分の前に流れて来る前に詩を詠んで楽しむ遊びです。<br/> 1793年、正祖(チョンジョ)は常日頃重用していた臣下41人を特別に招き、玉流川逍遥庵に杯を浮かべて詩を詠む宴を催しました。<br/> この宴で返歌した直筆の詩文42首を巻物に綴って保管したのですが、これは、現在まで韓国の貴重な文化遺産として伝えられています。<br/> 詩文を書くのに用いられた赤、青の様々な色紙は、金粉や雲母の粉で装飾されており、当時、王室で使用されていた最高級の紙を見ることのできるよい機会です。